女性特有の心のトラブル

休むことをメインに
いろいろなタイプのうつ病が近年、増加していますが、女性のうつが特に増えています。働く女性であれば、仕事内容や人間関係などのストレスによって発症することが多いです。中でも派遣社員として働いている若い女性は、派遣先の社員との人間関係が絡んでいることが増えており、仕事の悩みの中身も一昔前とは変わってきています。臨床症状は、働いている男性であれ、女性であれ、うつによって引き起こされる症状に大差はありません。しかし、発症の初期時点で頭痛などの身体症状が女性はあらわれることが多いです。身体症状は体の不具合として表れますが、それは心の叫びであるかもしれません。ストレス過多など、取り巻く状況がよくない中で身体症状が出ている場合は、うつのはじまりかもと疑ってみることも大事です。このような社会的なうつとは別に女性ならではのもので、産後うつがあります。症状や治療は、一般的なうつ病と同じです。ただし、急激に重症化するという他にはない特徴を持っていて、一時的に入院が必要な場合もあります。逼迫しているケースで入院は有効ですが、急激に重症化したように、急激に回復することもあるのが産後うつです。あまり悲観的になりすぎることなく、子育てや家事から少し離れて休養するというスタンスで入院するというのもひとつの方法になります。女性は特に仕事以外にも役割を持っていることが多いため、自宅療養よりも入院により治療に適切な環境を確保することも重要です。何も考えずに過ごしたほうが、回復もそれだけ早くなります。うつ病で入院した場合、最初の二週間程度は薬物治療をおこないながら、休養することがメインになります。開放病棟での任意入院がほとんどですので、行動制限はありませんが、音楽を聴いたり、読書をしたり、散歩をするというのは少し先の話になります。こうした楽しいことを楽しいと感じる時にも、セロトニンやノルアドレナリンは使われています。脳内伝達物質の減少によって、うつ病を発症している場合、回復を促すためには、セロトニンなどを節約するつもりで、脳を働かせないことが何よりも大事です。そのため、服薬と一日三食、バランスのとれた食事以外は、ただゴロゴロとしているだけになりますが、これも治療の一環です。その間に、医師は適切な抗うつ剤を判断したり、根本的な原因の究明、診断に間違いがないかなど病態の確認をおこなっています。ゴロゴロするのが苦痛に感じるのが初期の特徴ですが、休むことが心地よく感じられ、もっと寝ていたいと思えれば、それは起き時です。音楽を聴いたり、軽く体を動かしたりしてもいい合図になります。その状態までいけば退院して、自宅療養に切り替えることも可能です。医療機関にもよりますが、退院の段階ですぐに復職が可能な場合や薬物治療も終えられるとこともあります。入院は十分な休養を取る以外にも、特殊な治療が必要な難治性のうつ病の場合にも必要です。そのケースでは、薬物治療の効果がほとんど得られないことも多いため、通電療法などを行っていくことが多いです。通電療法の場合、回復が早いため、割と短期間で退院できることもあります。